書評
BOOK
2021年01月28日
【書評63】エンジェルフライト 佐々涼子
2012年の開高健ノンフィクション賞受賞の作品が
なぜか2021年になって目に止まった。
国際霊柩送還士という仕事。
国境を超え、魂を家族の元へ送り届ける
プロフェッショナルたち。
エアハース・インターナショナルという会社。
ここで活躍しているのは社長の木村利惠という女性。
死体が海外でさまざまな状態で保管され、
それが海外からの輸送により酷い状況で
日本に送り返されてくる。
その死体をエンバーミングという技術を用い、
遺体一人ひとりの状態に合わせて
最善の処置を行い、家族の元に戻すビジネス。
家族から感謝されるビジネスであり、
そして忘れ去って欲しいビジネス。
世の中に必要不可欠なビジネスの一つである。
社会に必要なビジネスを知ることができたという発見の喜びと、
その中で働く人たちの想い・志を強く感じた。
何度も目頭ば熱くなるノンフィクションである。