「フィンランドの子供の学び方から考える大人の学びと1オン1」
「フィンランドの子供の学び方から考える大人の学びと1オン1」
私たちは学校教育で知識を学んできました。
体育や技術家庭、音楽などの体験型授業もありましたが、
ほとんどは知識を学ぶ教育でした。
高校や大学の入学試験も知識確認型で、
日本は知識偏重教育と言われています。
一方、欧米ではディベートなどが取り入れられ、
自分の意見を発することが重要視され、
意見を交わすことで学びを深めています。
特に注目されているのがヨーロッパのフィンランドの教育。
知識確認テストがないにもかかわらず、
世界の学力テストでは日本を上回るトップクラス。
そのフィンランドの学び方の特徴は、
・自らが学び教師は学びをサポートする
・実例から学ぶ
・教科の垣根を越え多面な視点から学ぶ
・どうして、を考えさせ、疑問⇨解決=学びのプロセスをとる
具体的には、日本のように地理や算数という教科で学ぶのではなく、
実際の社会生活と複数の教科を結びつけて学びます。
小学校3年生では地図を用い都市間の距離を計算させ、
算数の3桁の足し算と地図の読み方を紐づけて学ぶ
授業設計が行われてれています。
掛け算や割り算を学べば、人が時速7kmで歩くと何分かかり、
バスが時速30kmだと何分かを計算することができます。
またバスのルートからバス停が設置されている理由を考えさせます。
フィンランドでは実例で複数の教科を横断して学び、考える力や調べる力が培われています。
この学びは大人の実社会の学びそのものと言えます。
実社会では知識をどんなに沢山身につけていても、
アウトプットとして表現されなければ
社会的価値や経済的価値が生まれません。
知識に加えて行動が重視されます。
人はアルバイトや仕事を通じた体験、
さまざまな物の購入やサービスを受けた経験から学び、
仕事の進め方や人への対応法を身につけます。
知識を行動に変換する力は、
自分でやった体験、人から受けた体験から身につけています。
デビット・コルブ教授や松尾睦教授は、
大人の学び方は「経験学習サイクル」であると述べています。
「経験学習サイクル」とは、
体験から出来た・出来なかった、良かった・悪かったことなどを振り返り、
自己で内省し、次はどうやったら良い等の教訓を引き出し、新しい状況に適用します。
新たに始めることは誰でも最初からうまく出来ません。
天才的にすぐできる人もいますが、
多くは何回かトライし練習してうまくできるようになります。
高いレベルを目指す場合には、何時間も「経験学習サイクル」を回すことで
熟練レベルに達します。
熟練になるために、誰でも最初の一歩があり、
成功や失敗をします。どちらも学びです。
仕事の現場で、対話型コミュニケーション・1オン1を定期的に実施し、
直近の仕事の内省を行い、教訓を引き出し、次の仕事につなげることがとても有益です。
「経験学習サイクル」を上長である指導者と共に、
協働している仲間と共に回していきます。
1オン1では、自分が持つ視点以外の他者の視点からの
フィードバックが得られ、内省の広がりと深まり学びが加速します。
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