【書評4】超AI時代の生存戦略 落合 陽一
著者は、筑波大学情報学群を卒業、東京大学大学院学際情報学府博士(学際情報学)を取得。
2019年2月現在、ピクシーダストテクノロジーズ株式会社 代表取締役社長、筑波大学 学長補佐・デジタルネイチャー推進戦略研究基盤 代表・図書館情報メディア系 准教授 デジタルネイチャー研究室主宰。
提唱する「デジタルネイチャー」という価値観に基づいた研究やメディアアート作品を制作し、著作も数多くある。
本書では、著者は超AI時代の中で、これから生き残るものは「Work as Life」をみつけられたもの、と結論づけている。
Work Life Balanceが持てはやされ、残業時間の削減でLifeの充実がうたわれているが、
WorkとLifeは切り割けるのではなく、連続する時間の中でのバランスであり、切り割けられない時代がもう来ている。
仕事の時間はストレスフルで、仕事が終わったあとの時間はアンチストレスの時間というWork Life Balanceから、
1日中出来るだけストレスのない状態、かつ個々人が活性化している状態になっていくことを提唱している。
「雇用され、労働し、対価を受ける」という現在の多くの人が行なっている労働のスタイルから、
「自分の好きなことで価値を生み出す」スタイルである。
では、Work as Lifeをどのようにしてつくるのだろうか?
3つのやり方をすすめている
・ブルーオーシャンを探す
ニッチな世界でトップクラスとなる。
グローバルではなく、ローカルでトップの状態であれば良い。
自分が関わる環境の中でトップクラスであれば良い。
・一部はITに完全に任せる
機械にできることは機械に任せる。特に自身が苦手なことは機械に任せる。
・自分の価値基準に合うものを見出す
仕事になり得る「趣味」で「好きなこと」を3つ持つ。
Work as lifeの報酬は3つある
・ギャンブル的な仕事とその報酬
ー自分がドキドキ・ワクワクしてたまにうまくいくという課題設定と報酬
・コレクション的な報酬(収集欲を満たす)
ー積み上がっていくことが見えるもの
・心地よさの報酬
ー五感を使う、体感的である
そして、他者にアピールして自分を語ることができる。つまり自分が喜び、社会も喜ぶものが望ましい。
超AI時代には、機械にできることは機械に任せることになり、人間にしかやれないことをやる。
人間にしかやれないこととは、
・コミュニケーション
・運動
・食事
・仕事の発注
・自らの発信、である。
仕事の発注とは、
・なぜそれをやるのか・採用するのか
・どんな意味・機能・メリットがあるのか
・どう使っていけば良いのか、である。
これを発信していくことが、Work as Lifeになっていく。
自分の仕事の中で、Work as Lifeになっていくものは何か?を、私を含めた読者は考えていきたい。
私のWork as Lifeは、コーチやワークショップの開催、組織開発やマーケティング&セールスのコンサルティング、また事業開発である。
自分のとても好きなことであり、得意な分野と認識している。私の関わるローカルでトップを目指している。
報酬として積みあがっていくものには、コーチングの数・時間、ワークショップの実施数などがある。
クライアントやワークショップ参加者に喜んでいただき、それぞれの生活習慣の改善や成長・昇進、夢の実現に支援者として関わっていく嬉しさがある。社会に、より成長に繋がる・いきいきしたコミュニケーションが広がっていくこと、社会課題の解決につながることを望んでいる。
超AI時代に、皆さん個々のWork as Lifeを、コーチングやワークショップ・コンサルティングを通じて見出していきたいと、読後に深く感じた。