書評
BOOK
2020年08月24日
【書評8】一流の頭脳 アンダース・ハンセン
驚異的な「脳のアップグレードを可能にする」、科学が実証する世界最新ノウハウ、とは?
その解は、「運動 30分程度のジョギングにより脳は若返る」
著者は、スエーデンの世界的に著名であり、ノーベル生理学・医学賞を決定する研究機関 カロリンスカ研究所のリサーチャーであり、精神科医である。その研究成果として、運動こそ、最強の脳のアップグレードをもたらすものと結論づけた。
「30分程度のジョギング」ー決して難しくはない、誰でもできることである。
年齢を問わず(幼児以上であれば)、いつからでも始められる。
脳の神経可塑性(変わる力)は、大人になっても、たとえ80歳でも失われない。
子供の頃のほどの柔軟性はないが、変わる力を有している。
30分程度の運動がもたらすものは、
脳内最強の物質「脳由来神経栄養因子:BDNF」を分泌すること
「脳由来神経栄養因子:BDNF」は、
・脳細胞を保護し、脳細胞の生存や成長を促す
・細胞間のつながりを強化する
・学習力、記憶力を高める
・海馬を大きくする
また、運動により、様々な物質が脳内で分泌または抑制される
・GABAを放出するニューロン(神経細胞)を作り出す :ストレスに対して抗する力を強める
・コルチゾールというストレスホルモンの上昇を抑え、ストレスの影響を弱める
・エンドルフィンを分泌し、海馬を大きくする、長期記憶力を高める
・ドパミンを分泌し、集中力・注意力を高める。
運動による脳のアップグレードについて、数多くの研究結果を取り上げ、その根拠を解説している。
運動習慣がなかなか身につかない、という人は、特に一読の価値がある。
運動を続けている人にとっても、さらに継続する力を与えてくれる一冊である。