書評
BOOK
2020年08月24日

【書評29】季節の中の診療室にて 浪越 建男

私の書評で、随筆を取り上げるのは初めてである。

 

著者の浪越建男くんは、

岐阜薬科大学時代の友人である。

 

といっても、彼は、歯科医になるという

自分の初志を貫き、

岐阜薬科大学から、長崎大学歯学部に

3年目に入るときに移っていった。

 

2年間の大学の友人としての付き合いの中で、

本人が書いているように、身体が大きく、

むっつりとした第一印象を持つが、

気持ちは優しく、よく気のつく男であった。

 

観察力が優れたいたのであろう。

また、日々の暮らしの中で、

小さな変化に気づいたり、

その変化を大切にして生きていることが、

歯科医の浪越先生を創り、

秀逸の随筆を書く浪越建男を作ったのだと感じている。

 

彼は、瀬戸内海に面した小さな町に生まれ暮らし、

私は、若狭湾に面した小さな町で生まれ育ち、

今は東京という大都会に暮らしている。

 

読書は、朝の通勤時間に当てることが多いのだが、

彼の随筆を読んでいて、暑い電車の中に、

なぜかとても爽やかな風や香りを感じた。

 

ふっと顔を上げるまで、

地下鉄東西線に乗っていることを忘れている自分がいた。

 

海と田園が浮かぶ。

砂浜が思い浮かび、海風の香りがする。

そんな瞬間を感じた。

 

幸せな気持ちを運んでくれた本である。

 

長崎は、私も九州統括担当の時に度々訪れて、

彼の書いている景色は思い浮かぶ。

 

浪越くんが、旅好きの私に、一つ、嬉しい宿題をくれた。

父母ケ浜を訪れよう!

みかんの食べ比べをしよう!

ウユニ塩湖で撮った写真に負けない写真を撮ろう!

夕陽をゆっくり眺めよう!