書評
BOOK
2020年11月29日

【書評61】カウンセリング教室/カウンセリング講和 河合隼雄

 

甥っ子が今春医学部に入学。

カウンセリングに興味があると教授に話したら推薦された書籍を教えてくれました。

河合隼雄先生は元文化庁長官の心理学者。

日本人として初めてユング研究所にてユング派分析家の資格を取得し、

日本における分析心理学の普及・実践に貢献された方です。

カウンセリング・コーチングに役立つお話が盛りだくさん。

私の気になったことを抜粋して紹介します。

・おお! あら! という声がクライアントから生まれてきた時、

言葉がないので根源の表現が出てくる。

 あれれ? と何か疑問が出てくる。これも大切。

・言葉をただ繰り返す、おうむ返ししたことで

自分が発した言葉が、自分への問いとして返ってくる。

 これがカウンセリングの面白いこと。

・クライエントの対話は、私と、知らない私の対話でもある。

私が話し、言葉が返ってきて、知らない私との対話が始まる・進む。

・1週間に1回会うだけで効果がある。

 時間が解決していくことがある

 1週間の間で、クライアントが

 カウンセラーとの場面を振り返りながら考えていく。

 次にカウンセラーに会ったときはどのように話そうかと考えている。

 深い話ができる相手がいることが、クライアントに安心感がある。

 昔は大家族でおじいちゃん、おばあちゃんが

 そのような相手であったこともある。おじさん・おばさんのこともある。

 そのような場所があった。

 今は小さな家族で、会社も効率を求めて人間関係は希薄になっている。

 その中で人間的つながりを求めている。

・今の時代は一人の人間を放っておいて、

うまく体系化することを上手にやっている。

体系化したところに人間が合わせていく。

能率や効率を重視している。それでうまく行ってきた。

 一人ひとりに合わせるには凄いエネルギーが必要。

 我々は社内などででは、扱いやすい人間に対応している。そのような関係性がある。

 家族ではうまくいかないことがある。

 人間対人間でぶつかり合うときは大変。

・人が言えない理由として、

思いはたくさんあるが、口は一つ。

ありがとうとうるさい。

うざいとごめんなさい。

両方思うが口にするのは片方だけ。

・クライアントと心の深いところであう。

 そのため、心を開いて待つ。

 深いところに一緒に降りる。