【書評26】Die革命 奥 真也
著者は、東京大学卒業の放射線科医師であり、その後、製薬会社、薬事コンサルを経て、現在医療機器メーカーに務めている、医師としては異色の経歴の持ち主である。
これからは、病気では簡単に死なない時代になってきている、死なない時代「不死時代」が始まっている。
「不死時代」を生きるからには、著者は、「前向きな不死」を手に入れて、
不死時代の恩恵を得るための著者の考えを記している。
日本人が平均寿命50歳を超えたのは、昭和22年 1947年生まれの平均寿命が
男性50.1歳、女性54.0歳。
抗生物質が実用化され、医療が病気との戦いに勝ち目が出てきた。
ボヘミアンラプソディーに出てきたエイズも不死になった。
多くのガンも標的遺伝子の治療薬や免疫治療薬が出てきて勝ち戦が見えてきた。
AI時代になり、画像診断がさらに進歩すると、適切な対応を早くできる。
(早期発見、早期治療、誤診の防止)
山登りに例えると、9合目は見えた。
ただし、残り1合は、山登りと同じで、かなり遠く厳しいのかもしれない。
9合目は見えたが、病気の9割は治らない。
糖尿病、高血圧、HIV感染(エイズ)も治癒しないが、共に生きることができる。
死は、突然やってくるものではなく、ゆっくり進行する状態を強く帯びている。
人生は、多毛作時代になっている。
著者の経験からも、いろんな職種で働く。
一旦立ち止まって、自分が本当にやりたいことに向けて
学習したり、投資したりする時間的余裕が出ている。
もうやることがない、会社から離れたら家で邪魔者扱いという「後ろ向きな不死」ではなく、
多毛作時代を生きる「前向きな不死」を楽しむことができる。
医療の面からも、人生100年時代、人生多毛作時代にアプローチしている。
私も、社会人生活は、製薬会社の営業から始まり、
様々な職種・職場、異なる会社で多様な経験の機会を得た。
また、学び続けることで、製薬・遺伝子/細胞治療・検査などのヘルスケアビジネスや、
プロコーチ・トレーナー・コンサルティング・人材育成など
多毛作なビジネス活動が充実している。
医療と、人生多毛作という2つのキーワードが、本書への共感になったと考える。