【書評58】ファクトフルネス ハンス・ロスリング
10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣。
本書を読むと、
人は、つくづく思い込みの生き物であると感じる。
自分の知識や体験を大切にしているため、
自分の認知の枠組みに囚われて、
物事を理解・判断していることに気づかされる。
何が正しい・正解ではなく、
何が正しい情報なのか・正しい情報を反映しているのかを、
もっと見ていく必要を感じるとともに、
全体と個別は違うという、
多様性の存在を心から理解することが必要だと感じた。
著者は、
10の思い込みを生むのは、
人の脳機能に原因があり、
ドラマチックな世界の見方をすることにもよる。
10の思い込み →解消法のアイデア として記す
1.分断本能:
2項対立を求める。
決して埋まる溝がないはずだと思う。
→大半の人はどこにいるのか探す
2.ネガティブ本能:
世界はどんどん悪くなっている、
という思い込みから抜けだせあい
→「悪い」と「良い」は両立する。
ゆっくりとした進歩はニュースになりにくい。
悪いニュースが増えても
悪い出来事が増えたとは限らない。
3.直線本能:
なんでもかんでもグラフは直線にならない
→直線にならない様々なグラフがある
4.恐怖本能:
危険でないことを怖ろしいと
考えてしまう思い込み。
怖ろしいことに自然に目がいく
→恐怖と危険は違うことに気がつく
5.過大視本能;
目の前の数字が重要だという思い込み、
数字一つだけをみて判断する
→数字を比較する、80−20の原則を見てみる、割り算する
6.パターン化本能:
一つの例、一つのパターンが
全てに当てはまる・説明できるという思い込み
→同じ集団の中にある違いと共通項を探す。
自分以外はアホだと決めつけない。
7.宿命本能:
全てはあらかじめ決まっているという思い込み
→ゆっくりとした変化であっても、
変わっているということを意識する。
小さな進歩を追いかけよう。
文化が変わった例を集めよう
8.単純化本能:
世界は一つの切り口で理解できるという思い込み
→自分の考えを検証しよう、
知ったかぶりをやめよう。
単純なものの見方と単純な答えを警戒しよう
9.犯人探し本能:
誰かを責めれば物事は解決するという思い込み
→犯人ではなく原因を探そう。
結果に影響する仕組みに目を向けよう
10.焦り本能:
今すぐ手を打たないと大変なことになるという思い込み
→今すぐ決めないとと感じたら、
自分の焦りに気を向けよう。
焦りを感じたら深呼吸。
日々、10の思い込みにはまっていないか、
注意しながら過ごすことの大切さがある。