ブログ
BLOG
2020年12月14日

「MRへの期待:愛知県がんセンター 室副院長講演を聴講して」

先週の12月8日に、YTL 薬ゼミ・トータル・ラーニング社が
主催した講演会 愛知県がんセンター 室副院長先生の
「オンコロジーMRへの期待」(無料セミナー)を
聴講しました。

室先生のお話は、オンコロジーMRに限らず
MR全体への期待でしたので紹介します。

同じく聴講された方は、
ポイントの確認として
お読みいただけると嬉しいです。

室先生は、私がT社で疾患領域全体の
マーケティング・ヘッドと兼任で
オンコロジーヘッドを担当していた時に、
大腸癌の薬剤関連で何度かお会いさせて
いただきました。

講演の趣旨である
「MRへの期待」

あえてオンコロジーMRに限らず
MR全体への期待として記しました。

冒頭にお話しされたこと、
一番伝えたかったこと、
何度も繰り返されたことは、

*******************

「 医師は患者を診療し治療していく中で、
日々感じる疑問を解決(しよう)として、
課題をクリアーにして、
がん診療・治療に貢献する(したい)という
(一応)高い意識を持っている。」

解決できな課題は、実はたくさんあって、
なんとかしようと思っていても、
先延ばしにしたり、
解決方法が見つからないことがある。

MRは、この琴線に触れることが大切。

*********************

室先生は話されていました。

医師は一所懸命に日々診療していく中で、
出来ることと、出来ないこと、
解決したいが解決法がわからないことに
ぶち当たっている。

忙しい日常診療の限られた時間の中で
自分の経験や、同僚・仲間の医師の情報、
文献情報から、解決したいことを探している。

MRがこの琴線に触れることが大切とは、

MRが学んでいる・有している知識を
Drが解決したい解決法などに
焦点をあてて話して欲しい。

熱心なMRは、
製品説明を、機能を一生懸命説明される。

それは大切なことだとわかるが、心には届かない。
心が動かない。

臨床医は機能が必要なのではない。
目の前の患者の病態・病状で困っていることを
解決したいのである。

 

 

*****************

ポイントの2つ目は、

臨床試験と実地診療は異なる。

医師の心の琴線に触れるためには、

臨床現場に沿った話を提供・提案し、

対話を行うこと。

******************

 

室先生は、話されていました。

 

臨床試験・エビデンスと、

実地臨床には大きな壁がある。

 

臨床試験が証明していることをみる、

あるいはMRがデータを紹介すると、

 

ーそんなこと言ったって、患者はこうなんだ

と臨床医は感じる、考える。

 

例えば、

胃がん罹患患者について、

臨床試験では、75歳以上の登録率はわずか6.9%

主な年齢層は45−60歳。

 

実臨床では、75歳以上が41.3%。

60歳以上が過半数をはるかに超える。

 

このデータで有意差がついたことは

事実であっても、

実臨床で同じことが起きるとは

限らない。

 

知ったかぶりして話すMRは

データを声だかに話す。

 

すると医師は、

ーそんなこと言ったって、患者はこうなんだ

 

知ったかぶりして話すMRに対しては、

この人とは話したくない、

MRの説明内容に抵抗した言葉を返す。

 

大切なことは、

患者さんがどういう状態で、

どういう経過を今までとって、

未来がどうなるかを考え、

適切な薬剤を適切なタイミングで使いたい。

 

オンコロジー領域では

全部の薬剤を使い切れる人と、

使いきれない人がいる。

 

病態・病状を把握して、

適切な薬剤を適切なタイミングで使う。

 

その参考となる、指針となる情報が必要である。

 

知ったかぶりするのではなく、

臨床試験・エビデンスの患者背景や、

臨床課題を仮説検証した内容をしっかり把握し、

 

そして実臨床の現場も理解した上で

情報提供いただき、対話していきたい、

臨床課題を解決する情報が欲しい。

 

 

いかがでしょうか?

Kiku塾の「価値ストーリー」は、

製品機能を話すのではなく、

患者さん、医師のお困りごととして

尋ねること。

患者の経過と未来 Patient Journeyと、

医師の薬剤選択の判断基準 Buying Processを考えて

あなたの担当製品の「価値ストーリー」を創っています。

 

「価値ストーリー」は

臨床医の心の琴線に触れ、

医師の心を動かすストーリー、

を実現していきます。