【書評15】医師のつくった「頭の良さ」テスト 本田真美
著者は東京慈恵会医科大学卒業 小児科の医師。
国立小児病院や国立成育医療センターで肢体不自由児や発達障害児の臨床に携わり、さまざまな援助を必要とする障害を持つ子供の診療と成長にかかわっている。
著者は、
「頭のいい人」とは、「一人一人に生まれながらに備わっている資質や能力を最大限に活用できる人」
と定義している。
では、
生まれながらに備わっている資質や能力を最大限に活用するための方法は?
それは「自分の『認知特性』を理解し、最大限に活用していく」こと。
自分の認知特性を知り、その特性を活かす方法を選択し、実際に場面で使っている人です。
認知特性には6つある
・「視覚優位―カメラアイ」タイプ:写真のように二次元で思考・記憶する
・「視覚優位―三次元映像」タイプ:空間や時間軸を使って三次元で思考・記憶する
・「言語優位―言語映像」タイプ:文字や文章を映像化してから思考・記憶する
・「言語優位―言語抽出」タイプ:文字や文章を図式化してから思考・記憶する
・「聴覚優位―聴覚言語」タイプ:文字や文章を耳から入れる音として処理する
・「聴覚優位―聴覚&音」タイプ:音楽や音階といった音楽的イメージとして入力処理する
認知特性というものが存在することを知らずに、
子供のころから、記憶するための工夫を行ってきた人も多いと思います。
自分で読んで音で覚えられる人。
書きながら声に出せば良く覚えられる人。
図にまとめると良く覚えられる人。
“まんが”だと良く覚えられる人。
東大の医学部教授と話していて
「私は全て写真で覚えられるので一度教科書などをみたら覚えられます!」と聞いて、
凄い人がいるものだと感じていました。
私も、もちろん認知特性があることは知らずに、
矢印などを使ってノートを取って見返すことや、
どんどん音として発話しながら同時に書いていくことで必死に暗記していました。
どのようにすれば良く覚えられ理解できるか、はわからずに
自分なりに工夫していたことがよみがえってきました。
認知特性を知っていれば、もっと早く覚えられ理解ができたのではと感じました。
私の今のノートの取り方・作り方も図式化が多いです。
中学の時の社会科・歴史の先生が、キーワードを矢印などで結んで図示化していくことがわかりやすいと
気づき、自分でも同じようにまとめるようになりました。
「言語優位―言語抽出」タイプの特性を活かしていることが判りました。
図でまとめていくことは、マーケティング部門で働くと得意なことがよくわかってきました。
本書には、人の能力の成長について、また男女差についても書かれています。
さらに、認知特性が違うことから、とくにコミュニケーションで注意を有する関係が記されています。
視覚優位型と聴覚優位型では、見せるだけ・聴かせるだけだと、どちらが理解できて、どちらが理解できないかは明白ですね。
研修/ワークショップなどを実施していて、相手の理解スピードが異なるときは、発信側の工夫が必要と感じました。営業の場面でも、話し言葉だけで伝えようとしたり、図だけで示したりではうまくいかない経験がありますね。
自分の得意の認知スタイルを人に押し付けていて、コミュニケーション・ギャップを生んでいることにも気づき、反省しています。
相手の認知スタイルを判断・理解して合わせていくことで、円滑なコミュニケーションが進むことがあると気づきました。
自己や子供の認知特性を知りたい方は、本書を読んで35のテストを実施してみてください。