書評
BOOK
2020年08月24日

【書評42】キレる! 脳科学からみた「メカニズム・対処法・活用術」中野信子

著者は、東京大学大学院卒業の

脳科学者、医学博士。

今までにも数多くの脳科学と

人の行動についての書を著している。

ヒトは、「怒りやイライラ」の感情を

誰もが起こす。

「怒りやイライラ」は、ヒトであれば、

誰でも感じる自然な感情。

自分を守るために、すでに脳に組み込まれた

メカニズム。

敵や獲物と戦う、あるいは避けるという

原始の時代から、

闘争と逃走のための

エネルギーを高めるための

必須の感情。

したがって、怒りの感情と付き合うことは

生きていく上で避けることはできない。

ヒトには、切れて良い状況があり、

賢くキレることが大切。

賢くキレることで得るメリットは、

相手に軽んじられ、見下されたり、

都合の良いように利用されたりする

ことを避けることができます。

賢くキレることで、

人間関係において、

自分の居場所を作り、

成功することができる。

得するキレ方は、

自分の感情を受け止め、

出来るだけ、相手へのストレスが小さくなる

タイミングを選ぶ。

損するキレ方は、

・瞬間湯沸かし器

・我慢を重ねての大爆発

・衝動的な行動・暴言

損するキレ方では、

相手にキレた本意が伝わらず

逆に優位に立たせることになる。

自己抑制が効かずに

起こり続けるヒトの脳は、

前頭前野の機能低下・萎縮が

起こっている。

老化で起こり、認知症の人で

怒る人に見られる。

また睡眠不足等の体調の悪さでも

前頭前野の機能低下が起こる。

逆に前頭前野の機能が強くなりすぎると起こり、

テストステロンの働きが活発になる

思春期の男子が、キレやすくなる。

一方、愛情ホルモンとよばれる

オキシトシンの働きによっても

怒りが発生する場合がある。

愛情ホルモンーオキシトシンによる

外集団排除のバイアスが起こり、

パートナーや子供の行動が

許せないとの怒りが発します。

キレる人との付き合い方は、

相手に踏み込まれない領域をきちんと示す。

キレる人に恐怖や不安がある場合は、

少しずつ慣れていく「系統的脱感作」という

方法を用いる。

(持ち物は怖くないなど)

キレる人の、人に対応するのではなく、

キレているものなどに反応して

怒りの論点をずらす(高等テクニック)

怒りがなぜ起きるかの

メカニズムを知ることで、

 

怒りとの付き合い方、

対処法を見つけることができる。