書評
BOOK
2020年08月24日

【書評55】オープン・サービス・イノベーション ヘンリー・チェスブロウ

オープン・イノベーションは、製造業などで多く取り入られ、

私の専門としている医療用医薬品の世界では、

アカデミア(大学)やベンチャーとの

オープン・イノベーションが一般的になってきている。

 

大手の製薬会社は、多くの研究職を抱えるにも関わらず、

自分たちで新しい創薬を行うことができず、

新しい創薬に挑み一定の成功が見えてきた会社を、

大手製薬会社が買収するという

ビジネススキームが出来上がってきている。

 

他の製品開発でも同様に

オープン・イノベーションが行われている。

 

本書は、サービスのオープン・イノベーションである。

 

本書は出版年は古いが、

オープン・サービス・イノベーションは

本格的になってきており、

まだこれからでも間に合うと考えている。

 

 

 

音楽は、自分の好きなジャンルのレコードを

自宅のステレオで聴いたり、

 

ラジオでかかった曲が気に入れば

レコードを買っていた時代から、

iPodが出て音楽が持ち運べるようになり、

 

今は音楽配信サービスの

サブスクリプション(定期購読・購買)に変わってきている。

 

製品のライフサイクルの短縮と同じように、

サービスのライフサイクルも短くなり、

 

現在のサービスを提供している人たちの

自己変革は難しく、第三者の力を借りた

オープン・サービス・イノベーションが必須となってきている。

 

マーケットリサーチの手法も、

 

よく使う顧客などをリサーチや、

フォーカスグループなどの方法で調べると、

 

顧客は通常の購買の心理状態ではなく、

バイアスがかかった状態としての

回答が集まることになる。

 

オープン・サービス・イノベーションの

コンセプト・マップを次のように著者は示している。

 

4つに大きな分けて考える。

1サービスとして考える

2顧客とともに創り出す

3オープン・イノベーションを行う

4ビジネスモデルの変換を考える

 

1 サービスとして考える

・情報源とその活用は

・サービスのバリュー・チェーンはどうなっているか

・カスタム化するのか標準化するのか

・製品とサービスのプラットホームは

 

2 共に創る

・顧客の暗黙知は何か

・体験のポイントはどこか

・知識の優位性はあるのか

・顧客もイノベーションを経験する

 

3 オープン・イノベーション

・規模、範囲

・参加の拡大

・知識の統合

・個人のエコ・システム

 

4 ビジネスモデルの変換

・ビジネスモデル活動の一貫性

・慣性が働くところ

・新たな収益モデル

・フロントエンドとバックエンドの組織のあり方

・サービスプラットホームの変換

 

先日、テレビを見ていて

こだわりの個人経営ラーメン店のように見せた

チェーン展開が、新たなサービス形態として

成功している。

 

ラーメン好きは、こだわりの個人経営が好きであり、

このラーメン好きの人たちを、

チェーンとわからなくしたお店の形態で

囲い込むビジネスモデルである。

 

1店舗の経営者は、資本のバックアップを得ながら、

個人のこだわりも発揮でき、

モチベーション高く仕事をしている。

 

個人店のチェーン展開の一つであり、

サービスプラットホームの変換と

 

専門知識の優位性と統合化、

参加(経営者)の拡大、

顧客体験の拡大を生んでいる

一つの新たなサービス・イノベーションと感じた。