書評
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2020年08月24日

【書評54】やっかいな人のマネジメント ハーバードビジネスレビュー編集部

やっかいな人、面倒な人、意地の悪い同僚とどう付き合うか

ハーバード・ビジネスレビュー編集部の 

EIEmotional Intelligence)シリーズ 6冊目です。

現代社会では

やっかいな人、面倒な人が増える可能性がある。

その理由として、

 

1. 日本は終身雇用制から人材流動社会に変わりつつあり、

能力があれば転職できる人は転職する。

その転職してきた人は仕事の能力はあるが

人間性は高められていない場合があり、人とぶつかるやっかいな人になり得る

2. 終身雇用の中で、転職せずに残る人の中には、

しがみつくために社内政治などを行い、やっかいな人となり得る

 

3. ダイバーシティ(多様性)が広がり、

日本人の中でも多様性を表現する人が増え、

さらに外国人の方と働くことが増える。

自分と意見や考えが異なる人が周囲に増えている。

 

4. AI(人工知能)や

   RPA(ロボット・プロセス・オートメーション)の進展で、

ルーチンワークが削減され、

より人と人の関わりがある仕事が増えてくる

 

いずれ場合でも上司や部下を自ら選ぶことは難しいので、

たとえ上司や部下にやっかいと思われる人がきても、

付き合うしかない

対応するポイントは、

人には感情と認知があり、違いを知ること。

・人は認知によって物事を理解するが、

 行動するときは感情が優先する。

 日本企業で働く優秀な人は、論理・認知を重視して

 論理・認知の正しさで人を説得しようとするが、

 相手は感情的に納得したくない状況であり、噛み合わない。

 感情的に反応していることを説得する側は気づき、対応する必要がある。

・自分の認知と他人の認知は違うことがあることに気づく・知る

・人はすぐには変えられないが、

  自分の力で変えられると過信していることに気づく

対処法として次の方法をあげている

・人ではなく問題に集中する

・言動と人格を区別する

・見解の違いにフォーカスして、互いをよく知る

・相手を尊重する

・言い方に注意して抑制的に対応する

・内容を明確にする

・やっかいな行動の動機・目的を考える

やっかいな人には

なるべく最低限のコミュニケーションで

終わらせる方法もある。

コーチとして感じることは、

やっかいな人も人間関係の中にあり、

誰かに心を開きたいと思っているならば、

傾聴力を発揮して、

その人の心を開くためのチャレンジをする方法がある。

やっかいな人は、やっかいだと思われている

データ(360度調査など)を示すことで、

受け止め方が変わる人が多いようである。