【書評17】成功するにはポジティブ思考を捨てなさい 願望を叶えるWOOPの法則 ガブリエル・エッティンゲン
今回は、コーチングで、
アドラー心理学の心得と同等に大切にしている
「WOOPの法則」を紹介します。
著者はニューヨーク大学とドイツのハンブルグ大学の心理学の教授。
20年以上にわたり、モチベーションの研究を行なっている。
ポジティブ思考がもてはやされている中で、ポジティブ思考だけでは足りない重要な点を捉えた、
WOOPの法則を提唱している。
ポジティブ思考があると、辛抱して頑張ったり、粘り強く行動することができる。
過酷な現実にも耐えて行動することもできる。
一方、ポジティブ思考のみだと、「きっとうまくいく」と夢見て、
行動しないことや、現実逃避することが出てくる。
夢見ることが、目標達成に失敗している事例を、これでもかと多数紹介している。
では、夢見ることを行動につなげて、夢を実現するには、どうしたら良いのか。
その手法が、「メンタル・コントラスティング」頭の中の対比であり、
夢へと続く道に立ちはだかる現実と向かい合うことである。
4つのステップは、その頭文字をとって、WOOPとしている
- Wish :願い
- Outcome :最善の結果
- Obstacle :立ちはだかる障害
- Plan :計画、特に障害を克服したり、防止したりできる行動
ポジティブな結果、願望や最善の結果を願うだけでなく、短期の最善の結果と計画(計画行動)を
創ることで、夢が実現に向かうことになり、行動へのエネルギーが高まる。
更に、障害を思い描き、その克服行動や防止行動を描くことで、夢の実現に向かう行動に対して
更に高いエネルギーが湧き上がってくる。
障害をクリアして行動していくことで、自信がわき、更に行動が加速する。
これで夢を叶えることができる。
エッティンゲンは、単にポジティブな、夢を描くコーチングを否定している。
しかし、メンタルコントラスティングを行い、WOOPを行うことで夢が叶うエビデンスがたくさんあることを唱えている。
私のコーチングで最後に聴くこと、良い習慣づくりのセミナーで行なっている重要なワークでもある
「何か障害がありませんか」「障害を予測して、その予防行動を一緒に計画しましょう」
皆さんの日常生活にも、ぜひ、この問いを取り入れていただければ、行動のエネルギーが高まると確信しています。